リモートワークによるオフィスの縮小移転
新型コロナウイルスが後押しとなったリモートワークが普及して1年、オフィスを移転縮小する企業もあれば、一か所に集約する企業など様々な動きがありました。また「オフィス不要論」が注目を集め、中小企業だけではなく大企業も含めオフィスや自社ビルの見直しを検討しているのも事実です。
ただし、オフィスはいらない、オフィスは縮小移転することが正義だと考えてしまうと、事業的にあまり好ましくない結果となることもありますので、しっかりと調査検討することが大切です。
まずはオフィス縮小化のデメリットからお伝えします。
オフィス縮小のデメリット
日本特有の住宅事情
テレワークが普及したとはいえ、日本の住宅事情から考えると、自宅で仕事専用の部屋を用意できる方は少ないことを頭に入れておく必要があります。
職場と同じような環境を自宅で準備できなければ、仕事の効率や生産性は低下します。逆に言えば、自宅でも職場と同様の環境か、もっと良い環境を整えることが出来るのであれば、メリットに変わります。
社員ひとり一人、事情は異なりますので、個別に確認しておく必要があるでしょう。
チームワークの低下
繰り返し接することで、次第によい印象や感情が起こる単純接触効果によるコミュニケーションの円滑化やチームワーク構築が望みにくくなるため、定期的な打ち合わせや社員チャットの構築などを計画的に行い、あまり発言のない社員に発言を促すなど、今までとは異なる業務が増えるデメリットがあります。
また、毎日のように顔を合わせないので、社員の体調やメンタルの変化などにも気が付きにくくなりますので、何らかの対策(予防策)を検討しましょう。
オフィス移転縮小を成功させるポイント
次にオフィス縮小化を成功させる方法についてお伝えします。
目的が大切
どのような理由でオフィスを移転するのか目的を明確にしましょう。
例えば、下記のような理由があります。
- 家賃や光熱費などの削減
- テレワーク推進による業務の効率化
実際にテストしてみる
現在のオフィスのまま、オフィスを縮小したら、どのような問題があるのか、メリットがあるのか実際にテレワークなどを行いテストしてみましょう。
もし、この段階で問題が山積したのであれば、オフィスを縮小移転することは望ましいとはいえません。逆に問題が少なくメリットが大きいのなら、次のステップに移りましょう。
数値上のシミュレーションをしてみる
オフィスを縮小すれば家賃は安くなりますが、社員宅への環境構築費や通信費などの経費が増えてしまい、トータルコストが上昇してしまうことも考えられます。
コスト的に見合うか計算し確かめることが必要です。
社員アンケートを取る
社内アンケートをとって、オフィス縮小移転について、様々な意見を上げてもらうことも大切です。
トップダウンでオフィスを縮小し移転すると決めることはできますが、社員のモチベーションや効率的な働き方を考えると、得策ではありません。
また、リモートワークのみで完結できる部署もあれば、リモートワークはできるけれどもリモートワークだけでは完結はできない部署、そもそもリモートワークができない部署や業務があると知っていても、現場の人間がどのように考えているかを把握しておくことはとても重要です。
最終的には、経営判断をすることになりますが、オフィスを縮小したがために生産効率が下がり利益がマイナスにならないようにするためにも重要なポイントです。
オフィス面積削減ではなく郊外に移転
単にオフィスの面積を削減するのではなく、家賃の安い郊外に移転することで、経費を削減する方法もあります。
取引先への営業活動や、社員の自宅の引っ越し、通勤時間の変化などのデメリットもあるので、十分検討する必要がありますが、郊外への移転を成功させた企業の事例もあるので、ひとつの案として調査・検討しても損はありません。
オフィス削減し統合
近くにオフィスが複数あるのであれば、オフィスを削減し統合するのもひとつの方法です。銀行の支店統合や同じオフィスに複数の支店が入るなど、盛んになっています。
一か所にオフィスを統合させることで、業務が効率化できるメリットと家賃などのコスト低減が期待できます。
オフィスの縮小移転を決めたら計画をする
オフィスを移転するには、新オフィスの選定、内装工事、現オフィスの解約予告や原状回復、取引先への連絡、名刺パンフレットなどの修正など様々な項目をする必要があります。
新オフィスの選定では、出社してくる社員をどのように配置するのか、座席を固定しないフリーアドレスにするのか、ある程度固定するのか、動線をどのようにするのかなどのレイアウトが必要ですし、リモート会議を考えた会議室の設置なども考えていく必要があります。
また、原状回復についても忘れてはいけません。移転が決まったら即座に原状回復の見積もりを取得するようにしましょう。一般的に指定業者による工事が必要な場合、原状回復の工事見積は高くなりますので、削減交渉の期間を考えておく必要があります。
オフィス縮小移転は表面的なメリットに騙されないことが大事
オフィス移転は長期的な視点を持ちながらも、社会情勢の変化による即座の判断も大切です。
また、固定費が削減できるからといって安易にオフィスを縮小してしまうと失敗するリスクが高まります。
様々な視点から考えた結果、オフィス移転を決定したのなら、ぜひ株式会社JLAにご相談ください。JLAではオフィス移転プロジェクトマネジメントやB工事コンサルティング、原状回復コンサルティングを行っております。一般には困難とされる工事費用の適正査定や削減交渉なども行っています。オフィス移転にかかるコストを低減させるためにも、ぜひお気軽にお問い合わせください。