オフィス・事務所移転時の
原状回復費削減ノウハウ
2021.9.15
オフィス入居工事は坪10~30万円
オフィスに入居する際は、働きやすい環境を整え、ブランドイメージ(企業イメージ)に一致させた内装にする入居工事を行うことが一般的です。
入居工事といっても、壁やパーテーションの設置、照明や電気、電話、LANなどの工事、机や棚などオフィス家具の設置などさまざまな工事があります。
また、工事費用は一坪あたり10~30万円ほどが相場といわれており、スケルトン物件は坪単価が高くなります。
入居工事とは
オフィスに入居する際に行う入居工事では、造作壁や壁紙の貼り替え、照明や空調の設置などを行い次のようなエリアをつくります。
エントランス・受付
会社の顔ともいえる部分です。ロゴや受付カウンターなどを設置される企業が多いです。
会議室・ミーティングエリア
オフィスへの来客の対応や社内打ち合わせなど、使うケースに応じた内装やデザインにします。
執務スペース
机と椅子を並べて、執務をするスペースです。狭すぎると効率が落ちますので、注意が必要です。フリーアドレスエリアを作っても良いかもしれません。
オープンスペース・リフレッシュエリア・ラウンジ・カフェスペース
ゆったりと座れるソファーを用意したり、いつもとは違う環境でアイディアを練ったりできる環境をつくります。造作家具や水回り設備を設置することもあります。ミニコンビニや自販機、ウォーターサーバーなどの設置を考えてもいいかもしれません。
倉庫や更衣室・コピーエリア・サーバールーム
店舗であればバックヤード部分にあたる部分です。あまり目を触れない部分ですので安い資材や中古品の使用でコストダウンをすることもあります。
その他
社員の福利厚生と健康を考えて、オフィスにスポーツジムや卓球台などを設置する場合に必要な工事も入居工事のひとつです。新入社員の募集や離職率の低下につながった企業がいらっしゃるので、無下にはできません。
各エリアをつくるのに必要になる入居工事は、B工事とC工事の2つに分けることができます。
B工事とC工事の工事区分
オフィスビルの工事はA工事、B工事、C工事に分かれ、民法上の権利や会計処理、工事請負業者などが異なります。
A工事・・・ビルオーナーが行う工事で入居工事や原状回復工事には該当しません。
B工事・・・建物に影響を及ぼす工事で造作壁(間仕切り)の工事や空調機器の移設、消防設備の新設などが該当します。勘定科目は「建物もしくはほかの固定資産」となり設備の耐用年数に応じた減価償却を行います。
C工事・・・建物に影響を及ぼさない工事で、机やPCの搬入設置やLAN工事、電話工事などが該当します。
どの入居工事がB工事になるかC工事になるかは、ビルによって異なります。
B工事の場合、ビルの価値を維持する目的や、建物の柱や重要な通信回線を切断する恐れがないようにする目的などで、工事できる業者が指定されています。
一般的に大手ディベロッパーのビルはB工事が多くなり、入居工事費用が高くなります。C工事が多い物件であれば入居工事費用を抑えられますので、物件探しのときから工事区分表を見せてもらうとよいでしょう。
入居工事の種類
入居工事で必要になる主なものをピックアップしました。それぞれB工事になるかC工事になるかを確認しておくことをおすすめします。
- 養生・仮設工事(B工事とC工事を分けて行うと2回することになります)
- ボード工事(天井や造作壁:B工事になることが多いです)
- 内装工事(壁紙、クロスなど)
- 建具工事(ドアの取り付け)
- パーテーション(C工事になることが多いです)
- 電気設備工事(コンセントや照明)
- 通信設備工事(電話やLAN:C工事になることが多いです)
- 空調設備工事(B工事になることが多いです)
- 給排水工事(B工事になることが多いです)
- 消防設備工事(B工事になることが多いです)
- 入退館システム改修工事(B工事になることが多いです)
この他にもオフィス家具の購入・搬入などが必要になります。
入居までの流れ
オフィスの入居は次のような流れになることが多いです。
- 全体の予算や物件の大きさ、場所などを決定する
- 物件を探す
- レイアウトを仮配置してみて、探した物件で問題ないことを確認する
- 賃貸借契約を結ぶ・会計処理
- 詳細設計をして見積もりを取得する
- 交渉や再検討など、近隣へのあいさつもお忘れなく
- 入居工事などを発注・会計処理・各種届出
- 入居工事着工
- 入居工事終了
- 引っ越し・会計処理・各種届出
入居までの流れで気を付けないといけないのが、引っ越しまでの期間です。オフィスのレイアウトやデザイン、使用する壁紙、照明、机などが決まるまでの時間がかかってしまうと、入居工事がおしてしまい引っ越しが伸びてしまうことになります。
また、オフィスの設計が終わってから見積もりが出るまで数日は必要ですし、金額交渉をするのなら、さらに時間を確保しておく必要があります。
物件を探す前から、ある程度のデザインを考えておいた方が、オフィス内装工事(入居工事)がスムーズに実施できるかもしれません。
オフィス移転はやることが多い
オフィス移転や新設は非常にやることが多く、担当者の負担が大きくなります。担当者に建築や不動産の知識がないと費用面の交渉も難しく、板挟みになって大変な思いをしてしまう可能性もゼロではありません。
そこで、賃貸事務所に詳しいコンサルティング会社である株式会社JLAにご依頼してみてはいかがでしょうか。JLAは不動産業者でもビルオーナーでも工事業者でもない第3者として、入居B工事のコンサルティングを始めオフィス移転プロジェクトマネジメントなどを実施しています。
オフィス入居工事の費用を抑える交渉なども可能ですので、お気軽にお問い合わせください。