オフィス・事務所移転時の
原状回復費削減ノウハウ
2021.5.27
英会話教室の原状回復費用
英会話教室を移転や閉店するときに発生する費用のひとつが原状回復費用です。
テナントの原状回復費用は入居時にどのような契約にしたかで大きく変わります。
スクール開業時に将来の移転、休業を考慮した契約にするのがベストなのですが、退去を決めてから原状回復について調べる方が多いのも事実です。
そこで、原状回復とは何か、退去が決まってからできる原状回復費用の削減方法についてお伝えします。
原状回復とは
原状回復とは、入居時の賃貸借契約書や特約に基づいて、退去時に壁紙や天井の張り替えなどの修繕を行う工事のことです。
原状回復工事を英語にするとrestoration work。原状回復費用を英語にするとrestoration cost、cost of restoring the site to its original condition です。
original condition:最初の状態という言葉があるように、入居時(契約時)の状態に戻す場合が多いのですが、契約内容により原状回復の内容が異なります。
知っておくべき法律とガイドライン
居住用、テナント用に関係なく原状回復のトラブルは非常に多いこともあり、平成10年に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が国土交通省により策定され、平成16年、平成23年には裁判事例、Q&Aを追加し改訂してあります。
そして2020年4月に改正民法が施行され、原状回復について明文化されました。
ただし、前述のガイドラインは民間住宅に関するものであり、改正民法は施行日以降の契約に対して効力を発揮します。
とても重要なことなのですが、法人や団体の契約の場合、ガイドラインや改正民法よりも賃貸借契約書、特約が優先されるのが一般的です。
しかし、個人事業主として英会話教室を賃貸借契約していた場合や居住用として使用しつつ英会話教室を営んでいた場合は、ガイドラインが適応になることもあります。
まさに「It depends」時と場合によるのです。
トラブルの多い貸主負担or借主負担の区分
原状回復で多いトラブルが、貸主(ビルオーナー)の負担になるのか借主(テナント)の負担なのかという部分(原状回復範囲)です。
この原状回復範囲は、入居時、更新時に交わした賃貸借契約及び特約で定めるのですが、明確にされていることもあれば、曖昧な部分があることもあります。
原状回復費用や敷金(保証金)の返却にも関係しますので、退去が決まったら原状回復範囲をしっかりと把握し、不明確な部分があった場合は、貸主(ビルオーナー)と話し合い、結果を文書化してお互いに保管しておくようにしましょう。
原状回復工事の区分
先述の原状回復範囲にも関係してくるのですが、原状回復工事にはB工事とC工事があります。
どの工事がB工事になるか、C工事になるかは賃貸借契約書・特約で定めるため、物件によって異なります。また、契約内容によってはB工事やC工事といった区分がないこともあります。
原状回復工事における一般的な区分は下記のようになります。
B工事とは
- トイレや水回りや照明器具等、入居時に変更した設備の位置を元に戻す工事
- 少人数制英会話教室に多い、個室用に作った壁を、撤去する工事
- 個室作成に伴い設置した、消防設備や空調設備を元に戻す工事
B工事について補足すると、主に建物自体に影響を及ぼす工事であり、一般に工事できる業者が指定されている工事を指します。
C工事とは
- 天井に届かないパーティションを撤去する工事
- 電話やLANの配線撤去工事
C工事について補足すると、動かすことができるものなど、建物に影響を与えない工事で、テナントが自由に工事業者を探すことができる工事を指します。
C工事が多ければ原状回復費用は抑えられる
B工事は工事できる業者がビルオーナーや管理会社から指定されているため、どうしても工事費用が高くなりがちです。
逆にC工事が多ければ、相見積もりなどで自由に工事業者を選定できるので原状回復費用を抑えることができます。
例えば、教室をパーティションで区切っており、パーティションの設置解体工事がC工事の範囲であるのなら、C工事としてパーティションを撤去し中古品として下取りに出すことで、原状回復費用を抑えられる可能性があります。
退去が決まったら即、見積もり取得
退去が決まったら、ビルオーナー、管理会社にすぐに連絡を入れる他、すぐに原状回復工事の見積もりを取得しましょう。
原状回復工事の見積もり取得を後回しにすると交渉や工事の期間を確保できず不利になってしまいます。
原状回復費用が想像よりも高かったら
まずは、見積もり内容が原状回復工事の範囲であるか確認します。
また、使用する壁紙などのグレードも適切なのか確認しましょう。
原状回復工事の業者指定がなければ、相見積もりを取得しましょう。
指定業者による原状回復工事なら、B工事とC工事に分けた場合も考慮し、B工事の部分は査定に出しましょう。原状回復のB工事の査定はJLAで行っております。
C工事についても、JLAでは業者の紹介も行えるので、ご相談ください。
交渉できる準備が整ったら、工事業者と交渉しましょう。
見積り内容を確認といわれてもわからないのなら
英語教室のことならわかるけど、原状回復とか不動産のことはよく知らないから、何が何だか・・・
そもそも時間がないし・・・
とお感じなら、原状回復のコンサルをしているJLAに原状回復の査定や削減交渉を依頼してみてはいかがでしょうか?
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